- ビル関連業界のトップ企業に属する125人のエキスパートが日本のスマートホーム市場について議論する
- 株式会社LIXILの研究施設「U2-Home」はスマートホームを体験できる場となっている
今年のEnOceanアライアンス秋イベントが内田洋子株式会社の東京本社にて11月開催されました。Schneider Electric社、Thermokon社、Pressac Communications社、アイテック株式会社、 村田製作所、株式会社LIXIL、NTT東日本、ローム株式会社 など様々なリーダ企業から125人のエキスパートが参加し、日本の最新のビルオートメーショントレンド及び日本向けの電池レス無線通信デバイス開発を紹介しました。パネルディスカッションを通じてスマートホームの現状と未来について情報交換及び議論を行いました。スマートホームの主な機能として安全性、快適性、省エネがあげられますが、今回のセッションの重要な発見の一つとして、日本で安全性または高齢者向けの見守り機能がヨーロッパよりも重視されていることが明確になりました。株式会社LIXILが開催した研究施設「U2-Home」ツアーではこのようなユーザデマンドを配慮した現代的なスマートホームを体験することができました。
「日本の人口の25%は65歳以上です。また、この高齢化の傾向は今後も続くと予測され、社会と経済の構造に大きな影響を及ぼすと見られています。ビルオートメーション技術は高齢者とその家族の生活をより簡単、より安全、より快適にさせてくれる大事な役割を果たしています。」とEnOceanアライアンス会長、グラハム・マーティンが出張しています。「EnOceanアライアンスミーティングでは日本のメンバーによって、日本が革新的な見守りシステムの先駆的役割を果たしていることが明確になりました。スマートホームと見守りシステムは日本のビルディング産業においてもっとも成長が見込まれる市場となります。」
日本の電池レス規格
EnOceanアライアンス秋イベントでは、業界のトップ企業が日本のビル・ホームオートメーション市場に向けた電池レス・ワイヤーレスソリューションの最新のトレンドを発表しました。日本向けのエネルギーハーベスティング無線デバイスは日本のARIB規格に基づいている928MHz周波数帯を使用しているため、電波干渉に強い上、拡大された到達距離を提供しています。928MHzモジュールは数ヶ月前に日本に導入されたにもかかわらず、既に多くの電池レスワイヤレスデバイスが開発されています。電池及び配線を不要とするため、メンテナンスの必要がなくなり、柔軟かつ容易に設置できるコスト効率の高いシステムが実現されます。このようなメリットのため、自己発電技術が日本市場で普及しつつあります。
安全第一
アライアンスイベントでは新しいソリューションと導入事例の紹介に加え、各国固有のスマートホーム事情及び要件について議論を行いました。ヨーロッパでは省エネと快適性がビルオートメーションの普及エンジンとも言われていますが、それに対して日本では安心かつ安全な生活環境が強く要求されています。健康モニターリング、目立たない監視、アラームシステム、または暖冷房コントロールがそのための重要な機能として挙げられます。これらの要素を統合し、一つのシステムに接続することで様々なデータを得ることができ、メディア同士のコミュニケーションが可能となります。例えば、家の中で非常状態が発生した場合家族のポータブル端末に通知を発信することが可能になります。
スマートホーム体験
株式会社LIXILが開催したスマートホームツアーはEnOceanアライアンスイベントのハイライトの一つでした。スマートホームを身をもって体験できるために日本最大の建材・住宅機器会社である株式会社LIXILがアライアンスメンバーを研究施設の「U2-Home」に招待し、ツアーを行いました。当研究プロジェクトはあらゆる世代のニーズに答えた理想的なスマートホームを作ることに努めています。家のシステムは様々なエネルギーハーベスティングセンサ及びスイッチで構成され、安全性、省エネ、快適性、接続性を提供するためのデータを収集しています。
非常状態の対応
屋内と屋外に設置されている自己発電型無線センサは人の有無を検知し、窓やドアが開いたままになっている時にテナントのスマートフォンに通知を送ります。侵入者が家に近づいてきたらシャッターが自動的に下ろされ、家の中の照明が赤く光り、アラームが鳴ります。また、高齢者は手当てが必要な場合トイレの呼び出しボタンを押すことができます。その上、トイレにいても動きが少ない場合、テナントがシステムの質問に反応しなかったら、ロボットによりアラームの通知が発生されます。
コネクテッドインテリジェンス
快適性と省エネを実現するために、家の暖冷房システムは天気・温度・空気質に対応できるようになっています。また、風向きや天気データを配慮した空調システムは窓の開け閉めを自動的に行い、エアコンを使わなくても部屋を適切な室内温度や空調状況に保ちます。自己発電型のCTクランプは家のエネルギー消費を監視し、どこでエネルギーが節約できるかを指摘します。
LIXILのスマートホーム研究プロジェクトは複数のデモハウスで形成され、ゲートウェイを通じてつながっています。リアルタイムでデータを交換することができ、例えば一つの家のテナントが両親の家を見守り、両親が元気であるかどうか・手当てが必要かどうかを監視することができます。